屋根の塗装とカバー工法について

今回は工事日記ではなく、思うことをつらつらと。

屋根のメンテナンスというかリフォーム工事って聞いて何を想像されますか？

もちろん現在の屋根材によりメンテナンスの方法は変わるのでお家によるのは間違いですが…

日本瓦のお家は年々減ってきていますし、今回は新築での採用率を考えてカラーベストに代表される平板スレート屋根材のメンテナンスについてお話ししたいと思います。

屋根のメンテナンスと聞いてパッと思いつくのは多分塗装工事、屋根の塗り替えだと思います。

だいたい築１０年から２０年の間くらいで最初の工事をされる方が多いと思います。

ちなみに皆さんはなぜ屋根の塗り替えをするのでしょうか？

色が薄くなってきたから？

１０年くらいで塗ったほうがいいと聞いたから？

防水塗装をすることで雨漏り予防になるから？

足場を組むついで？

様々な理由があると思いますが、この中で防水塗装をすることで雨漏り予防になると考えている方は、考え直したほうがいいです。

なぜなら屋根の塗装工事に雨漏りを防止、予防、改善する効果はないからです。

下の画像は日本ペイントの相談窓口にて、屋根の防水塗装に関して問い合わせした際の返信です。

複数の質問をしているため長い文章になっていますが、注目していただきたいのは日本ペイントからの回答の１行目

「防水性という性能は屋根用塗料で有しているものはございません。」

塗料メーカーからも公式に回答している通り、屋根の塗装は防水工事にはなりえないということ。

あくまで美観、屋根材の保護の効果はありますが、雨漏りの改善や防止には効果がないということです。

そこも踏まえて屋根のメンテナスについて検討していただくといいと思います。

では雨漏りの改善、予防にはどのようなメンテナンスが必要か。

これは葺き替えかカバー工法しかありません。

なぜならカラーベストの屋根の場合、雨漏りする原因は屋根材の隙間から雨水が入り込んだ場合のみだからです。（谷に穴が開いたり棟板金が飛ばされて無くなった場合を除いて）

雨水が屋根材の中に入り込んだ際に、雨漏りを防いでくれるのは二次防水としてある下葺き材（防水シート）です。

この防水シートが劣化した際に雨漏りが発生します。

つまり雨漏りを改善あるいは予防するには屋根材の下にある防水シートを新しいものに変えるしかないのです。

屋根材の下にある防水シートを変えるには、今の屋根材を撤去して張り替えるか、今の屋根材の上から新しい防水シートを張るしかありません。

結果として葺き替えかカバー工法という選択になります。

もちろん、すべてのメンテナンスに葺き替えかカバー工法が必要になるわけではありません。

築年数や、屋根材の状態、雨漏りの有無、今後何年家を維持したいか…など様々な点から検討して工事方法を選択する必要があります。

業者が言うからではなく、お施主様が総合的に判断し、メンテナンス方法を決定されることをお勧めします。

よければこのことはYouTubeチャンネルでもお話ししていますので興味のある方はご覧ください。