その点検の電話、本当にメーカーから?「顧客リスト」を悪用した点検商法の手口と身の守り方
最近「電話からはじまる」点検商法が急増しています。
みなさん。突然、こんな電話がかかってきたことはありませんか?
「こちらエコキュートのメーカー委託の点検会社です。お客様のエコキュートがそろそろ点検時期を迎えておりまして…」
「太陽光パネルの点検が義務化されました。無料で伺いますので、一度日程を調整させてください」
「ご自宅の給湯器について確認したいことがあり、ご連絡しました。まず一度見せていただけますか?」
以前は「突然の訪問」が点検商法の典型的な手口でしたが、最近では電話でアポイントを取ってから訪問するスタイルに変化してきています。事前に約束を取る分「ちゃんとした会社かな」と思わせやすく、より巧妙な手口になっています。
実はこの電話、見知らぬ業者があなたの個人情報を入手して、片っ端からかけているケースが多くあります。
■ なぜあなたに電話が来るのか?「顧客リスト」の流通という問題
「なぜ自分の連絡先がわかったのか」「なぜ我が家にエコキュートがあると知っているのか」と不思議に思う方も多いでしょう。
実はこの背景に、「顧客リスト(名簿)」の売買という実態があります。
太陽光パネルやエコキュート、給湯器を購入した際に、施工会社や販売会社に登録した氏名・住所・電話番号・設置機器の情報などが、名簿業者を通じて第三者に流通してしまうことがあります。「個人情報の第三者提供」は、一定の手続きさえ踏めば法律上は禁止されていないため、悪質な業者が法律の隙間をついてリストを入手しているのです。
こうして手に入れた「太陽光パネルを設置している世帯のリスト」「エコキュートを購入した世帯のリスト」を使い、業者は片っ端から電話をかけてアポイントを取り、順番に訪問していきます。いわば「見込み客を絞り込んだ、組織的な詐欺営業」です。
たしかに、手あたり次第訪問するより効率がいいですよね…
電話口では「担当エリアが変わりまして、改めてご連絡しています」「設置後〇年が経過したお客様に順番にご案内しています」などと、いかにも正規の業者らしいトークをするため、信用してしまいやすいのです。
■ 電話〜訪問〜契約までの典型的な流れ
悪質業者の手口は、電話から訪問、そして契約まで、次のような流れで進みます。
【ステップ①:電話でアポを取る】
「メーカー委託」「協力会社」「行政からの委託」などを名乗り、無料点検を口実にアポイントを取ります。「近くで作業中なので今日か明日伺えます」と日程を急かすことも多いです。
【ステップ②:訪問・点検を行う】
作業着姿で訪問し、本当に点検をするふりをします。この段階でわざと部品を外したり、緩めたりして「故障の証拠」を作る悪質なケースも報告されています。実際に、「無料点検の翌朝から太陽光パネルが発電しなくなった」という事例では、点検業者がパワーコンディショナーのケーブルをこっそり外していたことが判明しています。
【ステップ③:不安を煽って即決を迫る】
「このままでは故障します」「交換しないとお湯が使えなくなります」と危機感を演出し、「今日契約すれば特別価格になります」「この価格は今日限りです」と即断を促します。家族への相談や他社への見積もり依頼を遮るように、その場で契約させようとするのが特徴です。
■ 電話がきたときの対処法
電話口で今すぐ使える対応方法です。
▶ 「家族のものと話さないと今すぐ判断できません。とりあえずあなたの名前と会社名と電話番号を教えてください」
正規の業者であれば、社名と連絡先を明確に伝えられます。伝えられない・はぐらかすようなら、その時点で詐欺の可能性が高いです。
▶ 「設置業者(メーカー)に確認してから折り返します」
連絡先を自分で調べてメーカーや設置業者に電話し、本当に委託した業者かどうか確認しましょう。電話番号は相手に教えてもらったものではなく、自分で公式サイトなどを調べて確認することが大切です。
▶ 断りたいときは明確に「結構です」と伝える
あいまいな返事は「脈あり」と判断され、しつこくかけ直してくることがあります。「必要ありません」とはっきり断ってから電話を切りましょう。
■ 契約してしまったときは「クーリングオフ」を
もし電話をきっかけに訪問を受け、その場で契約してしまった場合でも、諦めないでください。
訪問販売では、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリングオフが可能です。書面(内容証明郵便が確実)で通知するだけで、工事前でも工事後でも契約を取り消すことができます。
「もう工事が始まっている」「お金を払ってしまった」という場合でも、クーリングオフ期間内であれば原則として原状回復・全額返金を求める権利があります。まずは消費者ホットライン(188)に相談しましょう。
■ 相談窓口
◆ 消費者ホットライン:188(いやや!)
最寄りの消費生活センターにつながります。無料・匿名で相談可能。
◆ 警察相談専用電話:#9110
◆ 住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
0570-016-100
■ まとめ
点検商法の入り口は、いまや「突然の訪問」から「電話でのアポ取り」へと変化しています。事前に顧客リストで情報を持っているため「本物のような電話」に聞こえますが、「あなたの詳しい情報を知っていた」というだけでは、相手が正規の業者である証明にはなりません。
少しでも不審に感じたら、その場で判断せず、設置業者やメーカーの公式窓口に自分で電話をかけて確認する——この一手間が、高額被害を防ぐ最大の防御です。
お家のことで気になることやご不安なことがあれば、お家の修理屋さんにいつでもご相談ください。


